あおいろ自由帳

ライター / ヨガ教師 中村亜津美(あずみ)

妊娠33週目  盛大な“子供がえり”か、はたまた、人生節目の“棚卸し”か

 

少し前から、幼い頃の家族間の記憶が、思い出す必要もない、忘れていたことまでなぜだかバンバン蘇ってきます。しかも、微笑ましい思い出“以外”限定で。悲しくなったり、時に嫌な気分になったり、答えが欲しかったり、あまり愉快な作業ではないんです…。

  

中学〜大学生時代からの友人なら、私がしょっちゅう銀座や玉川に母と食事や買い物に出かけたりしていたことや、私のファザコンぷりを見聞きしてきたはずだから、今更私がこんな風に、家族の歴史を振り返ってモヤモヤしているのは意外に思うかも。私自身もそんな感じで戸惑っています。

 

具体的にどんなことに関する記憶かといえば、おそらく両親自身も忘れているような、どの家庭にもある些細な夫婦喧嘩やすれ違いの「子供に隠しきれていない」空気感みたいなものだったり、あるいは、親戚関係の揉め事とか、祖父母の病気や死だったり、それらに遭遇してオロオロしている幼い私の心境です。

 

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家族内の空気に敏感で、何か違和感を感じると、おどけたり、おバカな末っ子を演じて場を和ませてきたような自覚があります。誰に頼まれたわけでもなく、一人で勝手に気がついて傷ついて、勝手に使命感を感じていただけ。空気を読んだ結果、空気を読まない子供を演じるわけです。

 

もしこのまま両親が仲直りできなかったらとか(そんなに喧嘩していたわけではないです^^; むしろ子供の前で言い合いしてたことも一度もありません。私が勝手に今なんかちょっと変だなって気がついていただけ)、親戚の誰彼がまた母に意地悪してきたらどうしようとか、不安になるたびにお風呂やベッドで家族に気づかれないように声を殺して泣いていたことまで思い出したりしています。

 

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なんていうか、当時の自分に駆け寄って、あなたがそんなにがんばらなくて大丈夫なんだよと言って抱きしめてあげたい。あなたが思っているほど大事件じゃないし、みんな大人だから自分たちでなんとかできるんだよって。笑

 

なんだろうこの気持ち。自己愛ともちょっと違うんだけども…。

  

ともかく、わざわざとうの昔に処理済みのあれこれを、今、自分の出産間際になってもう一度探しては拾いあつめに行っているみたいな…。しかも、今になって理由や答えを求めているあたりがタチが悪いのです。

 

ちなみに似たようなことは大人になってからも散々あったし、そっちも結構ややこしかったのですが(子供の頃のように“勝手に気がつく”と言うより、言いにくいことやデリケートなことに限って、私の所に愚痴や相談がくる➡︎結局言いにくいことは私が伝える羽目になる➡︎私自身とても疲弊する)まあ、私の役割だったのかなとも思うので、ここでは良しとします。

 

そしてこの期に及んで、全く私と性格の違うきょうだい、きっと私とは異なる風景を見て子供時代を過ごしたであろうことを、心底羨ましいと今更思ったりしているのです…。

 

なんだろう、この胸騒ぎ、無邪気な子供時代を取り戻したいような気持ち…。ともすると、親を責めたり問いただしたりしてしまいそうな、穏やかでない感情。

 

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分かってほしいのか

認めてほしいのか

誰かに謝ってほしいのか…

 

散々もやもやした結果、あ、これって単なる「甘え」、もしくは盛大な「子供がえり」なんじゃないかなぁ、と思い当たりました。

 

 

あまりにも、大人気ないっていう自覚があって、しばらく1人で悶々としていたんだけど、昨日、夫と近所にランチに出かけたので、食後のコーヒーを飲みながらぼちぼち話してみることにしました。ただし、ここで書いている内容より、もっと具体的で、もっとグジュグジュっとしたドス黒いところまで…。 

 

私(かくかくしかじか)

 「なんかこれって、最後の甘えって言うか、清算ていうか、子供がえり?なのかな。」

 

夫「うーん、そうやって、今のうち(出産前)に棚卸しして整理してるんだろうね。よくできてるね〜。^_^」

 

 

ほほう、そっかぁ…。

確かにね。

 

 

自分でも、出産前のこのタイミングに起きているってことは、この子供がえりは親になる準備なのかなぁとか薄々思ったりしてたけど、夫に言ってもらえて、なんかすとんと落ちてきました。

 

子供の頃を生々しく振り返ってモヤモヤするのは嫌なんだけど、まさに子を迎える前の棚卸し。追体験して、改めて気づかされたことは色々ありました。

 

・子供って、かなり幼い時から、色々気づくし、感じてる。大人をよく見てる。だから意外と誤魔化しはきかない。

 

・隠れて泣くような思いはさせたくないけど、親が知り得ない生まれ持った資質もあるし、そうやって子供なりに戦いながら成長する面もあるかもね。

 

・感じ方受け止め方はほんとその子による。だって同じ両親から生まれても、たいてい、きょうだいの性格ってバラバラだしね。

 

・感受性は生まれ持った部分が大きいから、敏感に察知してしまう子供の心境に、できれば気がついてあげたいなぁ…。でも矯正はしないで、見守ってあげたい。

 

上記は、子供時代を振り返って、“元子供”として思い当たること。親目線のことは分からない。だって、まだ親になってないから…。

 

夫「棚卸しして、ちゃんと豆(赤子のこと)用に心にスペースつくってるんだね。」

 

私「言われてみたらそうかもね〜。でも、このモヤモヤをどう処理すべきか悩むよ。全部両親にぶつけてみたい気もするけど、傷つけてしまいそうだとも思うし、出産したら今は知り得ない親の心境が芽生えて、意外にあっさりクリアになっちゃうかもしれないし」

 

夫「俺はそうなるんじゃないかと思うけどね。」

 

そうなの。親の目線になったら、モヤモヤをまた元の場所に収納できたりするかも知れない。だといいなぁと思う。だって言うまでもなく、子供として43年やってきて、両親には感謝の方が圧倒的に大きいもの。だからこそ、この負の感情が、ちょっと苦しいんです。こんなこと、私以外にも起きてる妊婦さんいるんでしょうかね。

 

そしてもちろん私だけじゃなくて、誰しもが子供なりに小さな体と未熟な心で、その時々を目一杯生きてきて、傷や痛みと上手に付き合いながら大人になってきたわけですからね、何も特別なことではないのでしょう。ただ私の場合、なぜか出産前の今、走馬灯のようにそれが押し寄せていて、苛立っているという…。笑

 

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そして、薄々気がついている方もいらっしゃるかもしれませんが、完全に過去にひっぱられてるわけですから、この一連の流れって、全然ヨガ的【今・ここ】マインドではないですね。笑 ようやく現在に戻ってこられた気がします。

 

2人の真ん中くらいの感じの子になるといいねー、と夫は言っていますが、うーん、私は夫寄りの、大らかで強く優しい感じに寄って欲しいです。^^

 

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