あおいろ自由帳

ライター / ヨガ教師 中村亜津美(あずみ)

妊娠30週目 妊娠初期を振り返りつつ同士である超高齢妊婦さんに捧ぐ

 

妊娠すると、多くの女性が検索魔になるのではないでしょうか?だって、気になることをさっと打ち込めば、何かしらの情報がでてくるのですから、未知の世界をオロオロとさまよう初産婦が、検索しないわけはないですよね。

 

さまよう…、そう、特に安定期に入る前の、自分が妊娠していることを夫以外の誰にも言えない時期は、人にもよると思いますが、まだ到底新しい命を授かった幸福を甘受する余裕はありませんでした。私は。

 

「超高齢妊娠」という現実と向き合う

とくに、私の場合は「超・高齢妊娠」「超・高齢出産」という重圧で押しつぶされそうな、不安な毎日でした。

本当に、本当に、心細かった。まだ起きてもいないことに、くよくよ悩んでばかりで(そのころに関しては、不安が圧倒的で、ヨガ的な「今ここ」マインドどころじゃなかった ^^;)、夫はそんな私を励ますのに忙しかったことでしょう。ちょっと調べようものならば、次々にPCやスマホの画面に躍り出てくるハイリスク関連の情報の数々…。

 

  • ●歳以上の自然妊娠の確率は●%以下

 (これだけは、私の場合は妊娠発覚の時点でクリアしていたわけですが)

  • 不妊治療したとしても●歳以上が妊娠に至る可能性は●%
  • 妊娠したとしても、維持できる確率は●%
  • 高齢で妊娠すると、●●(病名)や●●(病名)になるリスクが高い
  • 40代の母親から生まれる子供が負うリスクの可能性
  • その具体的な統計的確率
  • ・・・・・

 

と延々と続きます。情報ソースは、医療機関や医師、病院、学術的な論文、ニュースメディア、プレママ向けのメディア、良く分からない(かなりリテラシーの怪しい)情報サイト等。もう、かたっぱしから見ていたと思います。

 

私は何か、いけないことをしてしまっているのか

特に40代以降の妊娠に関しての情報は厳しかったですね。中には、昨今の芸能人・有名人の高齢出産を批判するような論調のものも結構な数あり、イコール、自分が責められているような気がして悲しくなったりもしました。

 

また、より冷静に、現代の良からぬ傾向として、超高齢出産をそのリスクとともに理路整然と解説しているような記事もあり、これは本当にきつかった…。それなのに、止せばいいのにモリモリ読んでは傷つくことの繰り返し…。自分が高齢で妊娠したことで、お腹の中にいる小さな命に、いろいろなことを背負わせてしまうかもしれないという不安。なんとも言えない心細さや申し訳なさ、罪悪感まで感じました。

 

(※よーく注意深く読んでいくと、そういった記事の中にも、淡々と事実と問題点を指摘しつつも、当事者である高齢妊婦たちの立場を守ってくれているものもあります。私は特に、過去に仕事で何度かお会いしたことのある、とある女医さんの記事はとても好きでした。) 

 

夫は、「もうそういう記事は読まないように。それよりも、この幸運に目を向けよう」と励まし続けてくれたのですが、根っからのリサーチャーの私はやめることができず、ようやく、調べては傷つく&不安になるの負のサイクルから抜け出したのは、やはり「安定期」を迎えたころだったでしょうか。いや、正確にはそれよりもっと後、胎動を感じるようになった20週頃からだったかもしれません。

 

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40代初産婦のブログを血眼で探す日々 涙

あと、これはきっと40代の妊婦さん特有だと思うのですが…。一般的にも、医学的にも、いわゆる「高齢出産」というのは確か35歳以上(正式呼称は確か「高年出産」)、43歳の私からすると35歳って若いんです。w 自分のまわりでも一人目の出産が30代半ばという人がマジョリティだったので、「高齢妊娠」で検索してヒットしても、それくらいの年齢の方の情報はどんどんスキップしていました。^^;

 

もちろん、今思えば、妊婦は何歳であろうが不安だし、20代も40代も、いろいろなマイナートラブルに出会っていくわけなんですが、とにかく40代妊婦のリアルな情報が欲しかった!当初の私は。特に、自分と同じくらいの年齢の初産婦さんたちが、どんなふうに不安と向き合い、心を強く持って過ごしているのか知りたかったんです。それと、そこを乗り越えた先で、どんなマタニティライフ、子育てをしているのか、ただそれが知りたかった。だから必死で40代妊婦を探してました。もう、マニアかってくらい。w (今、私がこうやって自分に起きていることを文字にしているのも、そういった理由からです。どなたかの、ちょっとした気休めにでもなってくれたら、それでも嬉しいと思います。)

 

正直、これからだって何が起こるかは分からないし、子育て中のママたちの言葉をかりるなら「大変なのは産んでから!」が現実なんだとは思います。でも、あのつかみどころのない不安な日々のつらさは、そのさなかにいる人にしか分からないかもしれませんね。自分のことだけじゃなくて、自分が初めて授かった小さな小さな命に関わることなんですから。私の場合は不意打ちの自然妊娠という形でしたが、長期にわたる不妊治療の末に授かった命ならば尚のこと、不安は大きいことでしょう。

 

今、少しだけ落ち着いて妊娠初期の、ホルモンで精神も体調もぐらっぐらな自分を振り返って思うのは、つらかったけど、諸々納得して一周回って戻ってくるために私個人には必要な時間だったということ。ただ、40代の妊婦さん全員にこのプロセスが必要だとは思いません。もっと大らかで、ポジティブな人は通らない道かもしれないし、それに越したことはないとも思います。

 

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暗黒の妊娠初期を振り返って、今、思うこと

超高齢妊娠・出産のリスクについて。これは無視することはできない統計的に実証されている数値です。人間は生き物だし、命には限りがある、年齢とともに体が変化するのは真実ですから。でも、逆に言えば、そういったリスクをあぶりだしている研究や統計の結果があるからこそ、医療的なバックアップや対策も進められているわけです。

 

ただし、その現象や数値と、自分に起きてることとの関連性をどうとらえるかはその人次第なんだと思います。(プラス、西洋医学であろうと東洋医学や自然療法的な考え方であろうと、できることなら、どんなことでも頭から鵜呑みにするのではなくて、自分の判断で納得して「選び取る」姿勢があると良いと思います)

 

今、私がどうとらえているかというと、上記と重複しますが、…

 

★現実は現実として認める。だってギネスブック的に伝わってくる海外のおばあさんの妊娠話は別として、何歳になっても元気に妊娠出産ができるわけではありませんから。自分の友人や知人、かわいい後輩に、「40代になっても絶対妊娠できるからまだまだ余裕もって大丈夫!」なんて口が裂けても言わないです。

 

★でも、今自分の体に起きていること、授かっている命、これも現実です。そして、確かに超少数派だけど、世の中にやっぱり40代半ばの初産婦さんいます。私とて、これからどうなるかは未知ですが、30週を迎えた今まで、母子ともに順調にきています。だから、同年代の妊婦さん、妊活中の人には、解釈や深読みなく、そういった存在がいるということを受け止めてもらえたらいいんじゃないかな、と思います。私もそうしてきました。

 

★何がどうして今にいたったか、これは結果論でしかありません。だから、今まで、今現在どんな生活(食事や運動、ストレスを溜めない工夫など)をしてきたかをありのままお伝えしたり、質問にお答えすることは喜んでしますが、妊娠との因果関係を強調するつもりはありません。でも、妊娠云々のことを別にしても、食や運動、心持ちがその人の人生をつくっていることは私の中では明白です。だから、健やかに心地よく生きるための工夫は、楽しみながら一生続けます。^^

 

You don’t have to worry. ~守ってあげたい~

長い独り言の終わりに

 確か、妊娠21週目か22週目くらいのある日のこと。仕事から帰っていつもどおり夕飯の準備にとりかかりつつ、何の気なしにiTunesで音楽をシャッフル再生していました。一体どんなアルゴリズムなのか、どす黒いヒップホップの後に流れてきたのは、言わずと知れたあの方の名曲。(その時、実際に流れてきたのは他の人によるカバーです)

 

 

♪You don’t have to worry, worry.

♪守ってあげたい

♪あなたを苦しめる全てのことから

♪‘Cause I love you

♪‘Cause I love you

 

 

43歳、キッチンの床に膝から崩れ落ち、

しばらくの間、大きな声で泣き続けました。

 

中の人、聞いていますか?

あなたを授かった奇跡、喜びよりも先行して、

長い長い期間、不安や恐怖に支配されていたお母さんを

どうか、許してくれますか?

 

どんなときもあなたを守れるように、強くならなくてはね。

でもそうやって、お腹の中から

あなたが私を守ってくれているのかもしれないね。ありがとう。

お父さんと一緒に待っているよ。

 

そして、

まだ暗闇の中にいる超・高齢妊婦さんや、赤ちゃんを待っている人たちが、

光が差す方へ、一歩踏み出せますように

 

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