手放すこと、浄化の涙
先日のヨガのレッスンでのこと。
その日は当日キャンセルが重なって、
一人の生徒さんと私、マンツーマンになりました。
クラスの終盤では
シャバアーサナ(屍のポーズ)中に照明をすべて落とし、
キャンドルの炎だけの暗がりで最後に数分間の瞑想をします。
瞑想が終わってお互いにナマステの挨拶をしてクラスを終えるときに、
その生徒さんがポロポロと涙をこぼしていました。
「今日は本当にこの時間が必要だったんだと思う。」
小さな灯火だけが揺れる暗がりの中で
私はただ彼女のその言葉を静かに聴いて、目を閉じました。
何かを失った直後の悲しみの中にある人も、
愛に溢れたあたたかな毎日を過ごす人も、
誰かに傷つけられて磨り減っている人も
迷っている人も、不安な人も、
それぞれがたくさんのものを抱えて、
誰かや何かのために
知らず知らずのうちに
自分のことを置き去りにしてしまうこともあるでしょう。
少しの間、たった1時間でも思考や思案を手放して
自分のことにだけ集中すると、
すうっと力みが抜けることがあります。
彼女から溢れ出ていたのは
そんな涙だったのではないかな、と思います。
つい、あれこれと自分分析をしてしまいがちだけど、
心穏やかな明日のために、たまには
そんなふうに一人になって手放すことかも必要かもしれません。
泣くことには、笑うことと同じくらい
リラックス効果があるんですって。
私は泣き上戸だから、案外リラックスの達人なのかもしれないです。
みんな、一生懸命生きている。
私も、あなたも、私の苦手な人も、あなたの苦手な人も。