あおいろ自由帳

ライター / ヨガ教師 中村亜津美(あずみ)

あなたと食べて、生きていく

 

少し前に、はりきって<鍵なし>のインスタアカウントを開けてみました。

instagram ID:  nakamura.azumi

↑食べてばかりですがよろしければ^^

 


 当初はライターなりの美容や健康面での雑感、ヨガにまつわることを自分なりに投稿していくつもりでいましたが、結局蓋を開けてみれば日々の食いしん坊日記となってしまっている次第。。。若干そうなる気はしていましたけど。仕事としてものを書くときは、はっきりと対象と目的があるので少しの迷いもありませんが、いざ、個人として発言を露出しようとすると、大海原を前にたじろいでしまうようです。(敬愛するジェーン・スー氏の表現をお借りするならば、「自我と相撲を取っている」状態)

もう少し慣れてきたら、食以外の投稿もしたりするかもしれません。^^

 

ここから先は別の場所でも書いたことがある内容ですが、私なりの「食」についての雑感です。

 

  

ここに私の好きな本があります。

 

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特に、筒井ともみさんの「舌の記憶」という作品が好きで、出会ってからおそらく7〜8年は経っていると思いますが、今まで数え切れないほど繰り返し読んできました。

江國香織さんがご自身のエッセイで紹介していたのが、この本を知ったきっかけです。)

 

著者の筒井さんの幼い頃の思い出、お母さんが作ってくれた様々な食べ物にまつわることを、思い出のエピソードとして綴ったエッセイ集です。(武田百合子さんの「ことばの食卓」も素晴らしい。)

 

料理が食卓に並ぶまでの、細々とした下準備のこと。食卓を囲む家族に関する、子供ならではの(でも、とても鋭い)洞察。旬の食材を使った、季節を感じる献立の数々。

 

大根の早漬けと煮凍り、鉄釜で炊いたご飯の朝食。

小豆を厚鍋で炊き、餡を練り上げて作る「おはぎ」。

 特別な日の茶碗蒸しや、庭で摘んだミョウガを入れる水とん、などなど。

 

 まだ物が圧倒的に少なかった時代の、手間暇かけた下ごしらえや、美味しくいただくための心配り。幼い頃のエピソードなのに、鮮明に繊細に描かれていることから、食の記憶とは深く刻まれるものなのだと、しみじみ感じます。

 

 日々何かに追われているような気持ちになってしまう時、この本を手に取ると、

「時間がないのではなくて、時間を作っていないのかな」と、立ち止まることができます。

 

さて、我が家は夫と二人暮らしです。

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仕事が忙しく、帰宅が0時を過ぎることが多い夫のために食事を準備して、私は先に寝てしまうことが多いのですが、

 「疲れて帰ってきた夫を、ゴハンよ、私の代わりに癒しておくれ」と念じながら毎日料理をしています。時に煮魚、時に生姜焼き、時にお浸しや酢の物、(時に昨日の残りのカレー)がせっせと夫の疲れを癒しているはず。(と信じています。)

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疲れていたりするとサボってしまう時もありますし、美味しいお店で食事をすることも大好きなので、毎日きっちりと料理をしているというわけでもありませんが、やはり、疲れて帰ってきた夫が柔らかな表情で晩御飯を食べてくれる、その様子を見るにつけ、明日も美味しいものを作ろうという気持ちになるのです。

 

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そして、そういう幸せな気持ちになるたびに、心のどこかがチクっと痛みもします。

きっと母もこんな気持ちで私たちにお弁当や夕食を作ってくれていたのだな、と。

高校生の頃、アホみたいなダイエットをして(りんごばっかり食べるとか)、平気でお弁当を残してきたり、カロリーの高いメニューだと文句を言ってみたり。。思い出すと馬鹿みたいで、本当に胸が痛むのです。ママごめんね。(もちろん、今は帰省のたびにここぞとばかり、残さず母の味を堪能します。)

 

You are what you eat.

あなたは あなたの食べているもので できている

 

 

文字通り、栄養面でもそうですが、

きっと、料理をする人の気持ちもあなたを支えている

 私はそう思います。

 

 

 

 

  最後に

 

美味しいゴハンで私を育ててくれた最愛の母と、

きれいに残さず、楽しそうに食事をする男(笑)を育て上げた主人の母に、心からの感謝を。

 

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